味オンチオタクの紅茶のすゝめ

紅茶のすゝめなんて大それたことを書いていますが、コロナ自粛期間中に紅茶に目覚めたオタク、つまりわたしの紅茶語りです。

 

コロナというのはオタクの人生を強制的に顧みさせました。

アイドルのイベントは全部中止になってオンラインだけになって、今まで「会いに行く」がベースだったアイドルエンタメコンテンツが全部振り出しになった2020年。アイドルとか俳優とかを応援することを趣味にしてきたわたしですが、それ"だけ"を趣味にしていることに不安定さを覚えた年でした。当たり前のことですが、人を応援するということは相手が「人」なので、やはり相手側の供給がないとこちらの需要を満足させられないのが問題です。

ですが、この趣味を辞めるという選択はもちろんなく、何か自分だけで完結できる趣味ができれば自分の趣味をリスク分散(リスク分散?)させることができるのでは?と、目を付けたのが、紅茶でした。

 

紅茶にハマろうと思ったのは自粛期間中家にいるときに常飲していた(しかも理由はコーヒーが飲めないから)というのと、なんかオシャレそうというのと、最近お気に入りの声優が紅茶の銘柄当てをしているのを見たからです。クソ不純動機です。

そんなクソ不純動機で紅茶の世界に飛び込んだので、初手でインスタグラムの「#紅茶のある暮らし」やYouTubeの紅茶Vlogに惑わされる。紅茶の世界は貴族の嗜みなのよと言わんばかりに高そうなティーポットとティーカップの後ろには1輪挿しが見え隠れしているし、ちょっと調べると「ルピシア入(い)りのオタクですかwあんな香りづけの強い紅茶なんて紅茶本来のおいしさが楽しめるわけw」とか言って平気で100g3000円の高級茶葉を勧められて困惑する。

でも自分は身の丈にあった紅茶暮らしを発見し、紅茶はオタクのサブコンテンツとしてうってつけだと確信したので、オタクの紅茶のすゝめとしてこのブログを書いているのであります。

 

①好きな紅茶を見つけよう

好きな紅茶を見つけるまでの過程がメチャクチャ楽しい。推しを見つけてその子を知っていく過程が一番楽しいと思ってるオタク、あなたですよ。ちなみに私はまだ推しと呼べる子は見つけられてません。

初手でのオススメはトワイニングの5種セレクト。スーパーで買えるし気軽に飲み比べができて、どの茶葉がどんな味なのか、自分の好みは何かの判別ができるようになります。

トワイニングはまじで飲みやすい、私はね。普通にここに戻ってくるもん。実家。アールグレイがすき。SHIROのアールグレイの香水も買った。

 

リプトンのイエローラベルもおいしいからね。安いからがばがば飲めるし安心感がある。リプトンの期間限定の紙パックを毎回飲んだりペットボトル紅茶の新製品をチェックするところから紅茶をはじめても思います。だっておいしいもんね(わたしはリプトンアールグレイティーラテ一生推すし、恒常化を期待しています)。

あとはア―マッド、ジャンナッツが価格帯的には同じです。カルディとかの輸入食品店で買えます。名前とパッケージでなんかオシャレになった気分になれる。

 ここらへんを一通り飲んでみると、出してるとこによって同じ茶葉でも違いが分かるようになります。舌がバカなオタクはこのへんで自分の舌を疑い始めます。違いは分かるんです。ただ、他評価と自分の評価が一致しなくて自分の舌を疑い始めます。あと自分の紅茶の淹れ方が悪いのか?と悩む。

でもいいんですよ、アンタが好きなら好きなんだから。高い茶葉より安い茶葉の方がうまいこともマジであります。だって人気キャラとかレート高いキャラだから推すわけじゃないでしょう?自分の舌と感性を信じろ。

 

ルピシアに行け

オタクは絶対ルピシアが好きです。ちょっと高くて分かりやすくオシャレだし、バリエーションも豊富で、絶対キャライメージティーとかやりはじめるオタクがいます。事実、現在は『憂国のモリアーティ』とコラボして3兄弟をイメージしたオリジナルティーを発売しています。公式でやるなよ。ちなみに紅茶は食品なので軽減税率が適用されるため脱法アニメグッズ感があり、なぜか得した気持ちになれます(合法です)。

moriarty-anime.com

 

ルピシアは香料が強くて云々とか言ってくる人いますが、香料は本当に好き嫌いあります。ルピシアで香料強いなと思う時もあるし他会社で思う時もあります。だからそんなもん。ルピシアでは茶葉ごとにブレンドが違う詰め合わせが売ってたりするので違いを楽しむもよし、オシャレで惹かれる文言のフレーバードティーを買ってもよし。

www.lupicia.com

旬のアッサムの詰め合わせは、茶葉の大きさやブレンドごとの違いが分かりやすく分かった気になれると同時に、ストレートでも美味しいしミルクティーにしてもおいしいのでこの時期オススメ。

www.lupicia.com

夏にアイスティーでよく飲んでいたのはマスカットのフレーバードティールピシアの紅茶の説明文はわくわくするから好みに合わせて選んでみるのが吉。たまに外れる(わたしはローズ系のフレーバーは苦手だと気付いた)。

 

ルピシアではティーバッグとリーフ(袋入り)とリーフ(缶入り)の3つの形態が売られていますが、オタクは間違いなく缶入りを買いたい衝動に駆られます。何といっても可愛いし、何かに使えそう…と思ってしまいます。でも実際使わないし使える場所がありません。でもわたしはサブコンテンツとして紅茶オタクをやっているんや・・・と衝動を飲み込んで袋入りのリーフを購入しています。ティーバッグの方が便利なんだけど、茶葉から紅茶を淹れている感を味わえます。あとこれが一番安いです。ぶっちゃけ舌に自信のないオタクはティーバッグで淹れた紅茶とリーフで淹れた紅茶の判別なんてできません。でもどうしても可愛い絵柄の缶だったら買います。オタクなので。

 

③高級茶葉に手を出そう

一般階級オタクはここにまだ辿り着けていません。今月自分の誕生日、来月クリスマスだから自分のご褒美に買おうと決意しているお茶。

買ったらここらへんに追記したい。果たして舌がバカなオタクも理解できる美味しさなのだろうか否か。高級茶葉を感じられる舌になりたい…。

 

その他体感したこと

・渋くても苦くても、お湯足したりミルクティーにすれば何とかなる

淹れ方が悪いんだとは思うんですけど、すっごい渋くなっちゃったりすることがまあある。お湯を後から足すなんて多分邪道なんだけど、自分ひとりで楽しむならこれくらいでもいいと思う。おいしく飲むことが最大限の敬意だと信じて。

・面倒だけど紅茶を飲みたい日は雑に入れてもうまい紅茶を飲むべし

紅茶の中にもいろんな種類の奴がいて、丁寧にお湯沸騰させて蒸らして時間ぴったり図ってやんないと拗ねるヤツもいるしなんか適当にレンジでチンした牛乳にティーバッグぶちこんでスティックシュガーをダイブさせればうまいヤツとかもいる。気分に合わせてとっかえひっかえします。紅茶ハーレム。

・アレンジティーはやめろ

オシャレに見えるから手を出したいのも山々ですがセパレートティーやらフルーツティーは絶対に作ってはいけない産物です。上手く作れる自信のある人は作ればいいと思うけど、高確率でなんかよくわからん果物が浮いてる最悪の飲み物を錬成してしまいます。セパレートティーとかオレンジジュースと紅茶混ぜるだけなんだかど、絶対苦味が増す。マジでおいしくない。こういうのはお店に任せるのがよし。でもお店でフルーツティー飲む時って中の果物を食べるべきか否かいっつも迷って残しちゃう。だってストローでほじくって飲むのってたぶんマナー違反。

 

最初は、紅茶の銘柄の説明を見ても書いてある「華やかな香り」「生き生きとした香り」の違いとか「重厚なコク」とか「奥深さ」とかなんやねんと思ってました。ボジョレーか。でも飲み比べていくうちに、これが華やかな香りか!とか生き生きとしてるの分かる!というように理解していくので、最近ちまちまインスタで始めた紅茶レビューも調子に乗って「口当たりが柔らかくて~」なんて書いてみたりする(でもクソ素人レビューのうえに信じられないほど写真が下手なので#紅茶好きな人と繋がりたいの土壌には足を踏み出せない)。

そして先にも書きましたが、本当に人のレビューが参考になりません。体感的にはオタクのコスメレビューより参考にならない。本当に紅茶はガチャです。まあ一期一会の出会いもそれはそれで楽しい。ガチャをたくさん引くだけ自分の好みを見つけられる気がしてます。

少しずつ紅茶の勉強もしていますが、すればするほど農園ごとの違いや生産年の違いによって味も香りも異なっていくみたいで、どんどん沼に使っていきます。奥が深い。このままだとティーカップとかティーポットに凝り出すオタクになるし、紅茶専門店や喫茶店に通うようになると紅茶はサブコンテンツとかいってらんなくなります。

でもハマりたてだから全部楽しいし、紅茶狂いとはいったものでカフェイン入りの紅茶を夜飲んで目ギンギンになって寝られないとか最近よくある。

それ以外は今のところ弊害を感じていなくて、水分を摂取するようになったから便秘も解消されたし、ラジオ聴いたり作業している間に横に紅茶があるとなんとなく落ち着くし、それに、いま自分には紅茶を淹れる余裕があるんだなと実感できます。

 

そんなわけで、みなさんも良き紅茶ライフを。そしてオススメの茶葉を見つけたら教えて下さい。

 

げんじぶから始まる進行形

2019年デビューEBiDAN発の7人組ダンスボーイズグループグループである原因は自分にある。の公式YouTubeにて新曲『嘘から始まる自称系』のMVが公開されました。

 

 

公開前日に意味深な画像と共に予告されてから公開され、果たしてこの曲が3rdシングルなのか配信限定シングルなのかアルバムのリード曲となるのかまだまだ謎が多い『嘘から始まる自称系』

 

 

MVのストーリー性やYouTubeの概要欄などからさあ好きなだけ考察してください!と言われてる気分になるこの曲ですが、今回は楽曲とげんじぶの方向性について書いていこうと思います。

 


新曲の方向性、正直にいうと殴られたようにびっくりしました。予想は超えてくるだろうな、変化球を投げてくるだろうなとは思っていたけど、それを超えてくるあたり。今回の『嘘から始まる自称系』は、各記事が書いているようにまさに「攻撃的な新曲」

 

 

以前書きましたが、2ndカップリング曲の『Joy to the world』が3rdタイトル曲に相応しかった、カップリングには勿体ない出来だと感じていて、ピアノを基調としつつさらにジャズっぽさに寄せ大人な雰囲気を感じさせるところがそれっぽかったと考えていました。『原因は自分にある』が1ならさらにキャッチーさが足された『嗜好に関する世論調査』が2、より楽曲のオシャレ感に幅を利かせた『Joy to the world』が3のように、““進んでいく””のが当たり前のように感じていました。

『嘘から始まる自称系』はある意味、0に戻った、という印象を受けました

作曲はお世話になっております久下真音さんで、随所にピアノサウンドが入り込むげんじぶらしい楽曲になっています。それでいて0に戻ったと感じるのは、そのリリックやMVにボカロに““戻った””という感覚があったからです。

 


わたしはげんじぶに対して、ニコ動出身である米津玄師(ハチ)がJ-POPシーンに台頭しボカロの潮流が邦ロックに流れ込んでそこの境目が曖昧になってきた、そのなかで、いわゆる““アイドル””としてその意志を継ごうとしてるのが「原因は自分にある。」である、という理解をしていました。というのも原因は自分にある。本人たちが「普段バンドとかを聴く層にも(ボーイズグループである自分たちの曲を)聴いて欲しい」と言及していることから、彼らは邦ロックへのアプローチをしているんだなという印象を受けていたからかと思います*1

そのような理解だったからこそ、今回のイラストアニメーションとモーショングラフィックスのニコ動っぽいMVの出し方、厨二病どストレート!なリリックに衝撃を覚え、ボカロに““戻った””と思うに至ったのです。

このボカロに““戻った””と感じる、言わばエピソード0的な今までのげんじぶの本流から外れた*2MVをこのタイミングで出してきたというのもまた面白く、3rdシングルでもなさそうな雰囲気なのが良い。

それゆえもし3rdシングルが『原因は自分にある。』、『嗜好に関する世論調査』に続くげんじぶの本流ともいえるサウンドとMVで発表されてもさほど違和感がないし、もっと突拍子もないものを提示されてもまあそれもげんじぶだしとも受け止められる、良い塩梅の、良いタイミングの新曲発表になったように思えます。

いわゆるアイドルである彼ら(そして近年トップクラスの顔面偏差値の高さを誇るとわたしは思ってる)が顔出しではないMVを原因は自分にある。として3番目に出すのも、げんじぶって枠に囚われずこんな感じで行くけど、いいよね?まあ別に着いてこれないなら置いていくけど。みたいな強気なトップスピードを感じたりもしています。そういう柔軟で頑固な姿勢、嫌いじゃない。

 

 


しかしそもそもボカロとJ-POPの親和性を考えてみるとボカロに戻るという感覚も不自然なものであって。

初期のボカロPはASIAN KUNG-FU GENERATIONRADWIMPSBUMP OF CHICKEN相対性理論などの影響を受けて育ち、そのボカロを聴いた世代であるいわゆるボーカロイドネイティブ世代であるOfficial髭男dismだとかそれこそ*3King Gnuが今のJ-POPを作り始めてるわけであるから、ボカロとJ-POPが交錯するのは必然であったとも言えます。


だからこそ、そこにアイドルが乗っかってきてもおかしくないし、何なら遅かったくらいであって、遅かれ早かれ原因は自分にある。のようなグループが誕生するのも時間の問題だったのかもしれません。

また、そんなボカロネイティブの髭男・King Gnuが席巻する今のJ-POPシーンに類似性を持った曲で堂々と斬り込んでいく原因は自分にある。は、アイドルとしても、J-POPとしても割と先端の部分にいると言っても過言ではなさそうだなんて思ってみたり。

 


ボカロ×J-POP×久下真音が織り成す世界観だけで十分面白いものが出来上がっているのですが、『嘘から始まる自称系』のボカロに““戻った””ともいえるニコ動っぽいMVからボカロがあるJ-POPシーンが当たり前の時代に生まれた原因は自分にある。のメンバーの若々しくて真っ直ぐな声が聴こえることでその面白さが何乗にもなっています。

そして、3rd*4だからこその彼らの声質を捉えてそれを引き出したパート振り、3rdだからこその彼らの成長とそれを見込んだ製作陣の連携プレーが為せる技がこれでもかというくらい見せられる楽曲の完成度。

 

 


2020年代のボーイズグループの無限の可能性を原因は自分にある。に見せつけられているように思います。

新型コロナウイルスの影響でエンターテインメント界が萎縮してしまっている状態ですが*5そんな状況も逆手にとって原因は自分にある。らしく前に進んでいってほしいです。

 

 

☆☆

 

*1:彼らがボカロ全盛期を知らないからこその発言かもしれないけど、彼らと同世代の現代っ子はみんな彼らと同じ感覚なのだと思う

*2:とはいえまだ2曲しか出してはいませんが

*3:『嘘から始まる自称系』公開直後からファンの間では専らKing Gnuと話題に

*4:便宜上3rdと書きます。げんじぶとして3rdMVだから間違ってはない

*5:彼らも2ndシングル購入者のスペシャルイベントが延期、ゲストとして出演予定だった神戸コレクションが中止になっているので、このMV解禁が当初計画のままなのかどうなのかが分からないし、これからの予定も変更してきている可能性が十分にある

原因は「原因は自分にある。」にある。と思ったはなし

2020年がはじまりました。

 

2010年を女性アイドル戦国時代と呼ぶならば、2020年は各軍が出揃い*1ついに男性アイドル戦国時代がはじまりそうな様相を呈しています。

 

そんな男性アイドル戦国時代前夜とも言える2019年に見つけたグループがあります。

それがスターダスト所属若手俳優集団EBiDAN発のグループ、原因は自分にある。

 

genjibu.jp

2019年7月7日のデビューから1ヶ月、「BATTLE STREET」から一新し、「原因は自分にある。」という新たなユニット名に変貌を遂げた、スターダストの新たなユニット!(公式サイトより)

 

男性アイドル戦国時代に埋もれることのない、インパクトのあるグループ名。

かくいうわたしがYouTubeで彼らを発見した時もこの、原因は自分にある。という名前とサムネのビジュアルに惹かれたので、この奇を衒ったグループ名は当たりだなと思いました。

 


原因は自分にある。「原因は自分にある。」Music Video

 

 

そもそもこの原因は自分にある。という名前には、

「ある物事や、ある状態・変化を引き起こすもとになること。」という意味を持つ“原因”という言葉を肯定的に捉え、この名前の響きのように、インパクトを与え続ける前衛的なユニットとして躍進し、新時代のエンターテインメントを生み出す。(公式サイトより)

 

という意味が込められているそうで。

この意味を知ったときは、フーンおもしろいじゃん、の以上でも以下でもありませんでした。へー!目立っていいじゃんそういうのもアリだね!という感想に終始。

このグループ名の本当の「面白さ」に気付くのはしばらく後のことでした

 

 

グループ名と同じタイトル曲『原因は自分にある。』も、グループ名に負けない「強さ」を感じました。従来の男性アイドルにはなかった路線で久しぶりにビビッと、きた。

オタクのくせにボカロはほぼノータッチなんですが、ボカロが普通の音楽に浸透してきたというか、そういうボカロのテイストもありながらオシャレジャズに邦ロックもぶち込んだみたいな感じ。それでいてそのメロディラインに乗るのがいい意味で引っ掛かりのない真っ直ぐな彼らの声・歌い方で、これが妙にハマっていて、良い。

 

 

EBiDANが今まで割とトンチキ(褒めてる)で、そのコンセプトを「敢えて」正統派のイケメンの男の子たちが全力でやるところに、EBiDANらしさ*2*3があったと思います。超特急のいわゆるダサかっこいいが顕著にそれを表してるかなと。

原因は自分にある。は、それを脱却したようにも見えて面白い。

MVを見る限り、EBiDAN特有のトンチキ感はなく、彼らの「スマートさ」を全面に押し出してる印象があります。MVも影を用いて格好良さを押し出して撮られているし、衣装もセンスがあってオシャレ。

EBiDANも立ち上げから10年経ちますし、EBiDAN内での差別化も必要というところで新しい道を模索しているのかもしれません。

 

MV視聴後に彼らのことを応援したいという決め手になったのは、1stシングルの全4曲のラインナップでした。

タイトル曲の『原因は自分にある。』はげんじぶらしいコンセプト通りの色なのに対し、ライブで盛り上がりが間違いなし目で見て良し聞いて良しの『ギミギミラブ』、今時珍しくなった情景で見せる歌詞と耳心地の良いオシャレミディアムバラード『Up and Down』、アップテンポな曲に切ない気持ちを乗せた王道アイドル失恋ソング『ラベンダー』と1stシングルにして、彼らの振り幅の広さと多様な可能性を見せてくれて、彼らに寄せる期待値が急上昇。

 

そしてその期待値に十分と言うほど答えてくれた2ndシングル『嗜好に関する世論調査』。

 


原因は自分にある。「嗜好に関する世論調査」Music Video

 

1stの『原因は自分にある。』よりもキャッチーで気持ちのいいピアノとベースで刻んでいくタイトル曲『嗜好に関する世論調査』に、3rdのタイトル曲でもおかしくなかったんじゃない?っていうくらいげんじぶらしさ+αで新たな可能性を提示した『Joy to the world』、今しかできない純粋な「かわいい」を見せてくれる『ジュトゥブ』、いまよりもっといい景色でこの曲を聞く日が楽しみになった大切な曲『時速3km』、これまたファンを離す気がないな、と。

この子たち、本気だな、と。

 

この1st・2ndシングルの中身とそれを引っ提げて行われたリリースイベントを通して、原因は自分にある。という名前に込められた、本当の「面白さ」に気付いた気がします

 

変な話、最初に「新時代のエンターテイメントを生み出す」と聞いたときは、まあ言うだけタダみたいな謳い文句だと思ってあまり気にすらしていませんでした。

でも、彼らは本気で新時代のエンターテインメントを生み出すんだ・・・・・・と思った。というより、思わせられた。

 

名前・コンセプト・楽曲は男性アイドルの中でも群を抜いて面白いものが出来上がってるし、土壌が異なる人にも刺さりそうな彼ら。リリースイベント後のネット記事には「新感覚ダンスヴォーカルパフォーマンス」*4などと彼らのその独自のスタイルに言及したものが散見されたり、BREAKOUTではその音楽性に注目した特集を組まれたり。また今回YouTubeに広告も出していたようで、コメント欄やツイッター上にも普段アイドルに関心のないという方の書き込みも見受けられました。

こんな風に彼らの音楽やそのスタイルが新しいと受け入れられたり、広がっていったりするのを見て、「ある物事や、ある状態・変化を引き起こすもと」になってるのを目の当たりにしているようで、それってまさに「原因は自分にある。」ってことじゃない?と、点と点が繋がったようにストンと腑に落ちました。

彼らがユニット名の説明をするとき、以前は決まり切った定型文だったのが最近は自分の言葉で話せるようになってきたので、彼らも活動していくうちにこの意味を咀嚼できてきたのかなあなんて思ったりしました。わたしもようやく咀嚼できました。

 

それでも今の起こしているムーブメントは彼らが目標にしているところに比べたらきっと小さいもので、彼らはまだもっと大きい何かの「原因」になれるはずです。

何か目標を成し遂げたときに彼らが、その目標を成し遂げた原因は自分たちにあるって自分たちのことを讃えられたらそんなにうれしいことはないなあ・・・と思ったり。

自分が好きになったグループということで贔屓目も多大にあるし、まだまだパフォーマンス面を見ると荒削りなところがありますが、それでも彼らは、次世代のエンターテイメントを担っていくべき存在であると思っています。

 

 

それもこれも今後どんなグループになっていくのか、それはまさに自分次第で。

原因は自分にある。、彼らが何の、どんな「原因」になっていくのか。

2020年、目が離せません。

 

*1:ジャニーズからはSixTONSとSnowmanK-POP界隈からも日プ出のJO1、ホリプロ初男性グループのWATWINGも興味深い

*2:対ジャニーズを意識してるんだろうけど、そのジャニーズも割とトンチキ

*3:K-POPが日本で市場を席巻したのはその楽曲の良さやダンスの完璧さなどもあったと思うけど、日本のアイドルのトンチキ感に抵抗があった層に受け入れられたのではないかなと思ったり。まあ韓国は韓国のトンチキがありますが

*4:https://news.mynavi.jp/article/20200127-961780:amp/参照

【原因は自分にある。】“相性”に関する分析調査【嗜好に関する世論調査】

スターダスト所属EBiDAN発のボーイズグループ、原因は自分にある。の2020年1月22日に発売される2ndSG『嗜好に関する世論調査にちなんで、マイナビニュース様とのコラボ企画、〈原因は自分にある。メンバーとのを“相性”に関する世論調査がファンの間で*1話題となっています。

 

news.mynavi.jp

 


【MV予告編】原因は自分にある。「嗜好に関する世論調査」

 

二択で構成された全7問の調査内容から自分と"げんじぶ"メンバーの相性が導き出されるというこの世論調査

わたしは純粋に自分が思うとおりに回答していったら長野凌大くんとの調査結果が表れました。わかる(?)。

次にオタクがやることといえば、推しを““出す””こと。ツイッターでもがんばるオタクが散見されました。

わたしは早々に推しを出すことを放棄し(というより、させられ)、じゃあメンバーがどんな回答をしたのか、全選択肢やってみればわかるでしょう!ハッキリさせちゃいましょう!と、"相性"に関する世論調査ならぬ〈“相性”に関する分析調査〉をはじめていきます。

 

想定される選択肢は128通り

メンバーの真の回答は何なのか、メンバーの武藤潤くんは本当になかなか出ないとの噂は本当なのか*2いざ、メンバーとの“相性”に関する"分析"調査…!

 

以下、メンバーとの相性を導く選択肢のネタバレがあります。純粋に相性診断を楽しみたい方の閲覧はお控えください。

 

 

 エクセルのマクロ機能を利用し二択の選択肢の全パターン128通りを抽出し、その後は手動で128通りに回答していきます。手動で

 

表で○と表記されるのが回答上段、×と表記されるのが回答下段(ex.Q1,雪がふってきた。さあどうする?の場合、○スキースノボがしたい、×こたつに入ってミカン)とみなします。

 

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”相性”に関する分析調査1

 

 

 さて、この時点で各メンバーの排出率が求められます(小数点第2位で四捨五入)。

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”相性”に関する分析調査2

 

噂の武藤潤くん、本当に1通り。排出率0.8%と一人だけ1%を切る他のメンバーを寄せ付けない圧倒的なレアさです。

その他メンバーを見てみると、大倉空人(たかと)くんと長野凌大くん、吉澤要人(かなめ)くんと桜木雅哉くん、小泉光咲(こうさく)くんと杢代(もくだい)和人くんとそれぞれの組み合わせごとに排出率にバラつきがあるのがわかります。

 

 

 

次にメンバーとの相性を導いた選択肢をまとめ、各メンバーが何と回答したのかという“真の回答”を推測したいと思います。

 

 

調査対象A:武藤潤(1通り)

genjibu.jp

 

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”相性”に関する分析調査:武藤

 

彼の場合はこの回答がそのまま彼の回答であることは言うまでもないでしょう。

 

 

調査対象B:大倉空人(8通り)

genjibu.jp

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”相性”に関する分析調査:大倉

 

彼の回答を見るに、各問に1通りのみ不適合とみられる回答が存在していると考えられます。したがって大倉空人くんの真の回答は、

 

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”相性”に関する分析調査:大倉(真の回答)

であると推測できます。

 

調査対象C:長野凌大(7通り)

genjibu.jp

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”相性”に関する分析調査:長野

大倉空人くんの場合と同様に、不適合とみられるものは各問に1通りのみであると考えられることから、

 

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”相性”に関する分析調査:長野(真の回答)

が長野凌大くんの真の回答となるでしょう。

 

調査対象D:桜木雅哉(21通り)

genjibu.jp

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”相性”に関する分析調査:桜木

不適合と思われるものは各問に6通りであるとみられるので、

 

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”相性”に関する分析調査:桜木(真の回答)

桜木雅哉くんの真の回答は上の通りであると考えられます。

 

調査対象E:吉澤要人(20通り)

genjibu.jp

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”相性”に関する分析調査:吉澤

彼の場合は今までと異なり適合率が一致しません。これは各問5ないし6通り不適合と思われるものがあるためです。しかし従来と同様に分析できる範囲の誤差であるため、

 

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”相性”に関する分析調査:吉澤(真の回答)

以上のように吉澤要人くんの真の回答を導くことができます。

 

調査対象F:小泉光咲(36通り)

genjibu.jp

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”相性”に関する分析調査:小泉

彼もまた吉澤要人くんと同様に適合率にばらつきが見られますが、各問14~17通り不適合と思われるものがあるためです。

 

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”相性”に関する分析調査:小泉(真の回答)

よって小泉光咲くんの真の回答は上のように推測できます。

 

調査対象G:杢代和人(35通り)

genjibu.jp

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”相性”に関する分析調査:杢代

彼は適合率が同一であるため、各問15通り不適合があると考えられるので、

 

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”相性”に関する分析調査:杢代(真の回答)

杢代和人くんの真の回答は上のように導くことができます。

 

 

 

 

さて、勘がいい方はお気づきでしょうか……?

 

 

以下、メンバーの“真の回答”の分析調査結果一覧です。

 

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”相性”に関する分析調査3

 

 

 

相性いいのってメンバー同士じゃん………?

 

 

 

 

ということで、私自身もなんとも釈然としない分析調査になってしまいました。

 

つまり、大倉吉澤小泉各メンバーと相性が良いと結果が出たならばおのずとその他のメンバーとも相性がよいということ、武藤長野桜木杢代でも同様です。

前述しましたが、武藤大倉長野吉澤桜木杢代小泉と近似の排出率の組み合わせがある点からもメンバーの排出率を予め考慮しているだろうことも推測できます。もしかしたら○○が全然でない!なんてのも想定済みなのかも……。

 

でも、吉澤小泉と同じ回答をしても大倉長野杢代桜木と同じ回答をしても武藤って診断されるの、なにってバグでは?

 

このような調査をしておいてなんですが、私自身は統計学を専門としているどころかその方面には明るくないのでこれ以上の考察は控えたいと思います。

 

 

 

以上、メンバーとの“相性”に関する分析調査でした!

 

 

再述ですが、私は統計学を専門にしている者ではありません。またこのデータも深夜に手動で抽出したものです。データの信憑性は保証しませんので、分析結果はあくまでもおたのしみ程度にご覧ください。

 

 

 

以下雑感ですが、この〈「原因は自分にある。」メンバーとの”相性”に関する世論調査 | マイナビニュース〉だけでなく同じくマイナビニュース様の〈原因は自分にある。メンバーに徹底調査! “ゲキムズ”恋愛嗜好クイズ | マイナビニュース〉、原因は自分にある。公式YouTubeチャンネルでの〈げんじぶ世論調査!二者択一ゲームに挑戦〉、ラジオが聴ける音声コンテンツJFN PARK内の彼らの冠番組ラジオに関する世論調査|原因は自分にある。|JFN PARK」にて〈イケボ選手権(12/19初回放送分)〉を実施するなど、発売される『嗜好に関する世論調査』のタイトルにちなんであらゆる企画が誕生しているのは面白いなあと思います*3 曲への期待もできるしね。

 

わたしは先日『嗜好に関する世論調査』のリリースイベントに一度参加し『嗜好に関する世論調査』を一度聴いた身なので、二択にこだわる意味とかが理解るのですが、そうじゃない外部の人たち*4にもこの面白みがわかるといいのに……!と企画と曲がいいだけに残念です。だからはやくMVを公開するか、先行配信してください。

 

 

【12/25追記】ブログ冒頭に『嗜好に関する世論調査』MV予告編動画リンク掲載しました。予告で二択!二択!二択!連呼してていいですね。 原因は自分にある。2ndSG『嗜好に関する世論調査』MV解禁は2020年1月1日18時とのこと。

 

 

 

twitter.com


原因は自分にある。「原因は自分にある。」Music Video

 

*1:“げんじぶ”メンバー内でも

*2:https://twitter.com/ebi_dan/status/1206631235893620737参照

*3:世論調査の本来の意味から外れているのを指摘するのは野暮。

*4:もちろんメンバーのブログ等見ていたらわかるけどそうじゃないライトな層、もっと言うとげんじぶのファンじゃない人たち

ドリフェス!とアイドルとわたし

ドリフェス!はアイドルの本質だってわたしは思うんです。大袈裟かもしれないけど、わたしの凝り固まってたアイドル像をやさしくあたたかく溶かしてくれたのは確かにドリフェス!でした。

 

今日友人に会ってドリフェス!のコンテンツ云々のBDを見せたらかっこいいね!面白いね!って言ってもらえて、本当にそうだよなあって思いました。なんでこんな素敵なコンテンツが「区切り」を迎えてしまうのか、本当に地球の宇宙の大損失だなあって私は思います。いつもブログ書くとき推敲するんですけど今回はそんな気も起きないでただ感情の赴くままに書きたいから書きます。1週間経ったからなんとか整理はついたっしょ!

「お知らせ」から2日3日経って通常生活を営んでたんですが生活の端々にドリフェス!が感じられてその度に目を潤ませていました。イケるっしょ!ってドリフェス!のオタク以外に言う人久し振りに聞きましたよ。

私は根っからのアイドル好きで、でも好きを突き詰めちゃうと理想化しすぎちゃうことってあるじゃないですか。それが私のアイドルでした。こんなことするのはアイドルじゃないって決めつけちゃったり。自分で自分の首を絞めすぎてたんだとは思います。でもなんだか素直に応援できなくて。そんな自分も嫌になって。

そんな時に見たのがドリフェス!のアニメでした。

 

xl0l0x.hatenablog.com

 

 なんかこれがアイドルなんだと思いましたよ。アイドルの本質なんですよドリフェスは。なんか地方自治は民主主義の学校とか言いますよねあれと一緒。ドリフェスはアイドルの学校。私達ファンは別に応援して?って言われたから応援してるわけではないし彼らのことが好きで好きだからこそ自分のお金と時間を割いてまで応援してるわけで別に彼らから感謝されたくて応援してるわけではないじゃないですか。でもファンをないがしろにして自分たちの力での仕上がったぜウェイみたいな態度とられると、ウンまあ君たちの実力があったからファンがついてるのだけれどもデモなんか違くない?ねえ違くない?っておもいませんか?おもいますよね。

ドリフェスの子達めちゃくちゃ感謝してくれないですか?なんか遠くからわざわざとか何度も来るのはお金もかかるのにありがとうとか。いや君たちが頑張ってる姿を見たいからじゃ!君たちが頑張ってるからファンがついてきてるんじゃ!(さっきと言ってること矛盾してるけどそんなもんだよね)

 

あとドリカの概念がメチャクチャ好きでまた最近改めて考えてるんですけど、ドリカって想いなんですよね。想いが受け取ってもらえるのが見えるのって嬉しいですよね。それにきちんとありがとうって言ってくれるのも嬉しいですよね。3次元には直接的なドリカキャッチはないですけど、言葉の端々に君のドリカ受け取ったよ!ありがとう!って感じられるのも嬉しいですよねえ・・・。君のエールへ可視化LOVEなんだよなあ。

 

そもそもおもしろいのは3次元であるDearDreamとKUROFUNEはアイドルでアイドルじゃないところなんですよね。正しく言うとDearDreamとKUROFUNEであるところのキャストの皆さんはアイドルだけど、本業はアイドルじゃない。役者なんですよね。誤解を招きそうな発言だから慎重に言葉を選んで書きたいんですが、本職じゃないからこそアイドルについてもっともっと考えてくれたんじゃないかなあと思っていて。それこそドリフェス!R5話の慎くんみたいに。慎くんはアイドルが役者をやることに対して悩んでいたけど、それは3次元のキャストの皆も同じだと思って。アニメで「アイドルとは?」について真面目に考えていたけど、これをキャストも考えてくれたんじゃないかなあって。本職アイドルとはまた違った視点からのアイドルが、なんか良かったなあって私は思ってます。僕たちの思うアイドルはこれです!僕たちはこんなアイドルになりたいんです!って歌って踊ってる姿から伝わって、そうだね、それがアイドルだねって思ったんです。これは言葉にするのが難しいから言いづらいんですが、ずっと思ってることでした。

 

ドリフェス!は私の凝り固まったアイドル像を溶かしてくれたんじゃないかなと思います。アイドルって自由でいいんだなあって、そう思いました。

 

でも凝り固まったアイドル像を溶かしてくれたからって他のアイドルを簡単に好きになれるわけないじゃないですか。

 

わたしはドリフェス!がサイコーでわたしの中で最後のアイドルだとさえ思ってしまいます。いやサイコー超えてるだな。

とか言って、色んなアイドルを渡り歩いてきたわたしが言っても全然信憑性がないんですけど、この話だけ。あるアイドルを応援してた時に合い言葉かのように「ずっと好きです」「一生応援します」とアイドルに対して言っていた時がありました。でもそのアイドルから離れてしまったので、もう一生なんて言わないよ絶対と思ってたんですけど。株本さんがファスライの時に「一生ドリフェスします」のその覚悟を聞いてしまって、心を動かされてしまったのは事実です。これは自分のメモとして。

 

 

3月5日の生放送で石原さんが「アプリとDCDの2次元の活動の終了を受けて、僕たち3次元の活動も…」って言ったのを聞いて、すごく寂しかったし悔しかったし残念だったし切なかったし色んな感情で溢れたけど、でも、こういうコンテンツだから好きなんだなあとも思った。

色んな意見があるけど、私はやっぱり2次元と3次元が両立されてこそのドリフェス!プロジェクトだと思ってるから。

だからわたしはこの大好きな大好きなアイドルたちを最後まで「応援」したいとおもってます。

 

アイドルとファンをつなぐものが「応援」だって、ドリフェス!が教えてくれたから。

『ドリフェス!』が「アイドル」を教えてくれた

 

アニメ『ドリフェス!』を一夜で見てしまった。しかも泣きながら。嗚咽まで漏らして。アイドルって実は単純で、でも複雑で、それでいてこんなにもアツい。アイドルを見るのって応援するのってこんなに楽しいんだ、ただ純粋にアイドルを応援する楽しさを思い出させてくれた。

 

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ドリフェス! 第1話 絆を奏でるニューフェイス!


 

作品解説
ある日突然、レジェンドアイドル三神遙人によってスカウトされた高校2年の主人公・天宮奏。同じ事務所のアイドルたちの熱い想いを目の当たりにし、負けじとアイドル活動に夢中になっていく。そして、元子役でミステリアスな及川慎、誰よりもストイックな佐々木純哉、優しくも内に情熱を秘めた片桐いつき、天然で天才肌の沢村千弦と共に、「ドリフェス!」に出場し、CDデビューを勝ち取ることを目指す!ファンが応援(エール)を込めて贈る「ドリフェス!カード=ドリカ」を受け止め、奏たちは最高を越えるステージを届けることができるのか……!?応援(エール)はドリカが示すもの!!
目指すは、デビューをかけた夢のステージ「ドリフェス!

 

  私はこんなアイドルアニメを待ってたんだ、1話を見てそう感じた。超王道で、臭いくらいの青春で、キラキラまぶしくて。「アツくなれるものがなかった主人公が何かに巻き込まれて、その素晴らしさに気付き、トップを目指す」というストーリーは定型で何度も見た展開だけれど、何度見ても飽きないし何度見ても感動するものだ。だからこそ王道なのであって。それが『ドリフェス!』には確かにあった。

 

アニメ『ドリフェス!』は天宮奏、及川慎、佐々木純哉、片桐いつき、沢村千弦の5人がDearDreamを結成しデビューするまでのお話。ここ数年アイドルアニメと呼ばれる作品を何本か見ていたが、意外にもグループ結成の過程を描いているものは少ない。2次元アイドルに求めるものは千差万別だから一概には言えないが、私にとってはこのストーリーが見事に刺さった。

ただのアイドル予備生で顔見知り程度でしかもライバルでもあった関係性が、どう変化してどうDearDreamになるのか。これがアニメを見ていてストンと腑に落ちたのである。ああ、この5人はなるべくしてDearDreamになったんだ、と。

アイドルのメンバー同士って何とも形容しがたい仲だと私は思っている。関係性も感情もめまぐるしく変化すると私の好きだったアイドルは言っていた。最初の印象の良し悪しもあるし、練習生期間の長さで先輩後輩関係があったかと思えば、デビューを争うライバルでもある。それでいて自分にないものをもつ相手を尊敬したり、補いあったり。そんな複雑な関係性の下で生まれたアイドルの絆ってやっぱり見ていて、眩しい。

それが『ドリフェス!』内で丁寧に描かれている。主人公の奏くんが周りの4人へ影響を与えていくから、奏くんと4人の関係性はもちろん、奏くんが事務所に所属する前の4人の微妙な距離感も見ていて伝わるところに脚本家の力量を感じざるを得ない。このあとの絶妙な関係性の変化はデビュー後という設定では絶対に描けない。

 

特に面白いのは、他の4人と初対面だった奏くんの他のメンバーへの呼び方の変化。すごくさりげなく変わっているのだ。ここらへんが凄くリアル。大概アニメって登場人物多いと視聴者が混乱してしまうから呼称は一貫しているが、『ドリフェス!』登場人物が最低限の人数に収められているからだと思う。

 

2次元アイドル界隈を見ていて思うのは一コンテンツに対してメンバー及びユニットの数が多いということだ。多数の好みの領域をカバーするために必要な数なのだと想像できるが、メリットもあればデメリットもある。アニメ化の際に一人一人、一グループずつを掘り下げられない、という点だ。アニメは一クール12話と決して多くなく、一人の主人公の成長物語として多いか少ないかというレベル。実際大所帯コンテンツのアニメ化作品を見ると個人もグループも掘り下げきれず中途半端に終わってしまっているという印象を受けた。

ドリフェス!』にもKUROFUNEという2人組のライバルグループが登場するのだが、DearDreamとの絡め方もまあ上手い。こればっかりは見て下さいとしか言えない…。

 

ドリフェス!』のアプリゲームも始めた。キャッチコピーがまた面白い。 "アイドル応援型ライブリズムゲーム"。 一見普通なんだが、これがすべてを表現している。文字通り"アイドル応援型ライブリズムゲーム" なのである。チュートリアルで名前を徳川慶喜(最近のゲームでは大概この名前に設定している)にしたあと、一向に「慶喜ちゃん♡」「慶喜さん!」とは呼ばれない。どういうことかというと、プレイヤーはあくまで "ファン" だから。『ドリフェス!』というコンテンツでは "アイドル" と "ファン" の関係はそれ以上でもそれ以下でもない。

昨今のアイドルコンテンツではプロデューサーやマネージャーというポジションに置かれがちな私たちだが、『ドリフェス!』では一貫して「ファン」という立場に置かれる。これが私には最大のヒットだった。どうして、ただアイドルを応援したいだけなのに、恋愛要素を醸し出されなきゃいけないのか…?自分とアイドルの接触を見ないようにして他のアイドルアプリゲームをプレイしていた。『ドリフェス!』では他で言うメインストーリーも番組形式でプレイヤーは一視聴者という立場だ。

アニメ化した際にも様々な問題が生じるように思う。プロデューサーがアニメ内で描かれると自動的に登場人物が1人増えることとなり単純に考えるとアイドルの魅力を伝えられる時間が減少する。プロデューサーの役回りや成長を描かなくてはいけないからだ。『ドリフェス!』ではそれがない。デビュー前だからとも言えるが、売り込みや宣伝も一からメンバーみんなで考えて実行する。これは意外と盲点で、アイドルの一面を一分一秒でも多く魅せられる上にユニットの仲を深めるのにも一役買っているだろう。

 

2次元アイドルでもう一つ課題となるのは、2次元でやる必然性である。

3次元アイドルと同じことをやっていては、生身で、リアルタイムで生きている3次元にどうしたって劣ってしまう*1

2次元アイドルでしかできない魅力が不可欠であるとわたしは思う。

 

ドリフェス!においてのそれは、ファンとの関係性の「可視化」、である。

アニメ内でのファンへの描写もファンをドキッとさせる。ファンは「ドリカ」を使ってアイドルにエールを送る。

 

www.youtube.com

 

この応援という行為が目視できる「ドリカ」を使ったエールが粋。私たちファンは応援をするという行為を形で示すのは難しい。しかしそれがこのエールによってアイドルたちがライブしてるという直接性が感じられる世界線は羨ましくもあり。

私が一番グッと来たのは最初のステージに立った奏くんが初めてドリカを受け止めるシーン。ファンのエールが強くて奏くんは受け止めきれず「エール、重っ!」と漏らす。掴み切れず逃したドリカを追いかけ捕まえて、初めて受け止めたとき、そのドリカを見つめて「ありがとう!」と最高の笑顔で感謝を伝えてくれる。このシーンを見て、私がドリカを送ったわけでもないのに心がじわっとあったかくなった。アイドルを応援するときの気持ちってこんな気持ちだった、そう思った。

 

 それが1話の出来事なのだが、その後もファンを大切にしてくれる描写が散りばめられている。ファンを大切にするというか、何だろう、ファンじゃなくても大切にしてくれるというか。言葉にするのが難しいけれど、それがアイドルなんだよな、と思い直した。ファンだけじゃなくてアイドルに会った、声を聴いた、いやお茶の間で見ただけの人たちまで、「アイドル」という存在に触れた人すべてを幸せに、ほっこりした気持ちにさせてくれるのが「アイドル」なんだ。

DearDreamは最高を超えるアイドルになるってキャッチコピーとかじゃなくて本当に思った。

 

知り合いのアイドルオタクたちとも口を揃えて言うのだが、長年アイドルオタクやってると説教臭くなるし素直に受け入れられなくなることがよくある。推しへの気持ちが強くなりすぎるがゆえに目を背けたり見ないふりをすることもある。コンサートは全通するとかCDは全形態買うんだという自分のルールに縛られることもある。

そんな気持ちを忘れて、純粋で、キラキラした目でアイドルを応援していたときの気持ちを『ドリフェス!』を見て思い出した。

 

奏くん、慎くん、純哉くん、いつきくん、千弦くん、ありがとう。

影ながら応援させてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:2次元のキャラクターは生きていないという話ではなくて、コンセプトという点において。奏くんたちが生きているのは大前提です

二次元アイドルコンテンツにおけるKING OF PRISM

ラストキンプリを見てきた。

『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』、略してキンプリ(当ブログに以前書いた某アイドルグループじゃないよ)をあと2ヶ月は見れない生活が続くのは初見のキンプリを見るくらい意味が分からない*1ので今から生き方を模索していこうと思う。

最後に見たキンプリは一言一言が胸にじんわり広がるようだった。特にシンくんの「みなさんは覚えていますか、初めてプリズムショーに出会ったときのことを!」のセリフは、初見時には味わえなかった感動を感じた。


私が『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』出会ったのはキャストの声優さんのブログがきっかだった。ふーん、またアイドルの話かぁ。そう思いました。全然そんなことなかった。


『ROAD to Over the Rainbow ~デビュー2周年記念DVD~』の中に収録されているエーデルローズ入学説明会(キンプリ制作発表のとき)で菱田監督がおっしゃっていたことがある。「アイドルアニメが主流になっている今キンプリを作る意味があるのかと考えたが僕たちが作ってるのはプリズムスタァで、我が道を行くことにした」(原文まんまではない)

私は普段雑多にアイドルヲタをやっているが、ここ最近の二次元アイドルブームに疑問を感じていた。似たり寄ったりの設定、見たくないのに見せられる芸能界の裏側、どこかで見たことがある声優の組み合わせ・・・。アイドル大好きな私でさえこのアイドル戦国時代の飽和に疲弊しはじめていた。


その中でもキンプリは異彩を放ち2016年相次ぐアイドルアニメ化のダークホースとなった、と私は思う。キンプリは二次元アイドルの勝者じゃなく勇者だ、とでも言うべきか。私はその両方だと思っているのだが。

その理由として考えられるのは、まず一つにあの世界観。プリズムショーと呼ばれるショーの中で歌い踊りプリズムジャンプと呼ばれるジャンプを飛ぶ、しかもそのジャンプが急にハートやキッスを飛ばしたり自転車を漕いだり天蓋付ベットに寝そべったり最後に龍まで飛び出す、私たちが知っているテレビで見るアイドルとは違うことが分かる。キンプリの世界ではプリズムショーがごく一般的に浸透している。この世界は私たちが住む現実とは離れたどこか異空間めいた場所なんだなぁと頭のどこかで考えるのだ。

しかしこのプリズムショーが存在する世界も非常に現実的な問題が数多く存在するようで、エーデルローズの赤字やコウジの渡米によるOver the Rainbowの無期限活動休止、聖と仁の確執などなど、プリティーリズム・レインボーライブ(以下プリリズRL)時から考えると本当に土曜朝10時に子どもが見てたのか?愛憎ドロドロの昼ドラでも韓国ドラマでもないんだぞ!ってくらいのリアリティさ。でもどこか楽観的な気分で見れるのは現実から離れたプリズムショーが存在する世界線だから、という理由に起因するだろう。

プリズムジャンプがアリだから、エーデルローズの負債が133億××××××千円でもジメジメと今後大丈夫なのかなと悩まないで、ま、なんとかなるでしょと思えるし、齢18にしてエーデルローズの負債を一部負担する神浜コウジはスターライトエクスプレスに乗って星座になるのは意味が分からないし(RL完走してからはそりゃあガン泣きですけど)、まぁ、なんとかなるかな!って元気になれる。プリティーリズム系譜の最後はハッピーエンド、みんなハピなる!な雰囲気のせいかもしれない。プリリズRLのpride盗作問題とか法月仁プリズムキングの話とか女の子にも分かるように(本編の邪魔をしない程度に?)描かれてるけど、よく考えると闇の中の闇にしか見えない。アイドルコンテンツで芸能界の闇を見せられるのが嫌だと前述したが、そのどのコンテンツよりもリアリティがあってエグいかもしれないのに、あまりそれを感じない。プリリズが女の子向けで主人公は女の子たちでサブとしてしか描かれていないからかもしれないが、それが逆に暗くなりすぎない絶妙なマイルドさを生み出していてこの塩加減があっぱれ。見ていて新鮮だった。


もう一つの理由としてはOver the Rainbow(以下オバレ)の描かれ方である。大概のアイドルコンテンツはあくまで「アイドル」としての括りの中での成長を中心として描かれる。それはストーリー内でキャラクターが一貫してアイドルないしアイドル候補生として登場するからだ。しかしプリティーリズム・レインボーライブでのオバレの3人はそうではない。オバレの3人は女の子向けアニメでよく見る、ちょっと年上のカッコよくて優しいお兄さん!のような立ち位置*2で、オバレはアイドルとしてではなくひとりの男の子を前提として描かれているということである(そもそもヒロを除くコウジとカヅキはオバレが結成するまで*3アイドルではない)。

私はアイドルの男の子が恋愛している描写はあまり好きではない(夢みさせてほしいという身勝手な願望によるもの)のだが、コウジといとちゃんに関しては概ね許容している。それはコウジをアイドルとしてではなくひとりの男の子と見ているからではないかと推測している。だけど「アイドル」神浜コウジが雑誌のコメント等で交際を匂わせる発言することは容認できないぞ!

また、オバレがアイドル活動している2年間は詳しく描写されてない上に、キンプリでは無期限活動休止を宣言、コウジは作曲の才能を認められ渡米しカヅキは自身のアイドル活動に疑念を抱き自分の本当にしたいことを考えはじめているように見える。速水ヒロ、神浜コウジ、そして仁科カヅキ、彼らを構成する一部分としてアイドルの一面が存在するだけで、彼らはアイドルの枠に縛られてはいない。そもそもプリズムスタァだもんね。キンプリのキービジュアルの3人が手を固く握り締めているのにも関わらず視線は全員別の方向を見つめているのはそれぞれの未来を見つめているからなのかな…なんて思ったり思わなかったりする。

話を戻すと、ひとりの男の子、ひとりの人間を前提にしているから、話に奥行きが出ているのだ。RLを含めてもオバレの3人のエピソードは決して多いとはいえない。それでもオバレ3人の言い分がよく分かるし心情も理解できる。RL内で早いところオバレが結成してしまったらオバレの活動に焦点が当てられて一人一人の人物像は浮かび上がりづらかったのではないだろうか。加えてアイドルでの成功を物語の完成形に据えていない。アイドルコンテンツ特有の俺たちトップアイドルになりました!ありがとう!がゴールではなさそうだ。オバレが今後どんな選択をするのか、ドキドキしながらゆっくり見守りたいと思う。



気がついたら書こうと思ってたことの1割しか書けなかったから時間があったらヒロ様の幸せについて模索するエントリとか書きたい(多分下書きに葬られる)。

 

 

 

 

*1:初めてのキンプリ体験を知らない人は他のブログを見てください。多分見ても分からない。劇場へ行ってください

*2:あくまで立ち位置。あくまで。当時の女の子たちはオバレをどう見ていたのかはすごく気になる

*3:ということはつまり・・・